礼拝
友納靖史
常盤台バプテスト教会 2023.12.3 主日礼拝 「告げよ 造れよ キリストの平和を」友納靖史牧師【イザヤ書52章7節】(新共同訳 旧約P.1148)
- 音声メッセージ
礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。- 礼拝プログラム
- 前奏
招詞 ローマの信徒への手紙 10章14~15節 司式者
祈祷 司式者
賛美 新生174番「ベツレヘムの町」1.2.4節
献金感謝
主の晩餐式
聖書 イザヤ書 52章7節
特別賛美 「久しく待ちにし」
宣教 「告げよ 造れよ キリストの平和を」 友納靖史牧師
祈祷
賛美 新生160番「天なる神には」1,3,4節
頌栄 新生669番「みさかえあれ(B)」
祝祷
後奏 - 宣教概要
- イザヤ書は罪を犯し苦難の中におかれる神の民イスラエルに、世界を救う贖い主(ヘブル語:ゴエル)が与えられる出来事を預言する壮大な歴史書です。ここには過去・現在・未来の事象が連なる山脈のように一つに重なって見えるため、それぞれの時を区分することに困難を覚えます。ですが、連なる山々(過去・現在・未来)を横からそれぞれを独立させて想起すると、語られる個々の預言が鮮明に私たちに届きます。52章はかつて(過去)出エジプトによって苦悩から解放された出来事を思い起こし、今(現在)はバビロン捕囚より解放され、今後(未来)世界の救い主が来られるとの神の希望のメッセージが記され、神はいつの時代ににも神の民を救い出される希望と信仰の言葉と賛美に満ちています。特に未来における神による救いの成就(贖いの完成)は、その贖い主なるお方が自ら苦難を担い、多くの犠牲を払って救いを完成されると、イザヤ書52-53章は預言しました。この出来事は約700年の時を経て、キリスト(油注がれた者・王の王)と呼ばれるイエスが遣わされ、その時に十字架を担い復活された出来事を経験して、初めて初代教会の人々は理解し、使徒パウロはそれをロマ書をはじめ、彼は未来を見据えて人々へ記したのです。
「いかに美しいことか。山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は・・・」(52:7)とのイザヤの預言を、パウロは「遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。『良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいことか』と書いてあるとおりです(ローマ10:15)」と語ります。そこで彼はイエスの誕生と公生涯にイザヤの預言が成就したこと。又、贖い主なるイエスを信じた者が、その良き知らせを告げ知らせる働きに招かれ従う時、イザヤ書の預言は更に現実のものとなって世界へと広がっていくと、宣言したのです。更にイザヤの預言通り「彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え、救いを告げ、あなたの神は王となられた、とシオンに向かって呼ばわる」と、イエスは神であったのに人となり、王の王となられ「平和」「恵み」「救い」を実現したと。そこでパウロはローマ書の中で「口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われる(ロマ10:9)」と『救い』の確信を伝えました。また「恵みによって、アブラハムのすべての子孫、つまり、単に律法に頼る者だけでなく、彼の信仰に従う者も、確実に約束にあずかれる(ロマ4:16)」とイザヤが預言した驚くべき神の恵みが実現したと明らかにします。そして「平和」について「平和の源である神は間もなく、サタンをあなたがたの足の下で打ち砕かれるでしょう。 (ロマ16:20)」とキリストにある真の救いの完成と平和の実現とを共に宣言します。つまりイザヤ書という過去の預言が、ロマ書を記した時点(パウロの生きた時代)で、イエスの到来によってすべてが実現しましたが、来るべき時(未来)にアブラハムの子孫 (イスラエル<ユダヤ人>のみならずイエスを信じる者) は共に見せて頂く日が来ると。ここから、かつて苦難の僕として主イエスが世を救われたように、再び悪の力を同じ神の愛(非暴力)で打ち砕き、平和が実現すると読み解けるのではないでしょうか。
私たちはつい「自分が生きる今の時代さえ良ければ・・・」との偏狭な視野に生きる弱さを持ち合わせています。しかし聖書にある神の計画は、次なる時代に生きる人々も神の偉大な「救い・恵み・平和」を享受できるため、語るだけではなく福音に生きる、つまり神の救い・恵み・平和を造り出す働きに関わることです。すべての者を招き救う神の忍耐と信仰に私たちも従いましょう。「ある人たちは、遅いと考えているようですが、主は約束の実現を遅らせておられるのではありません。そうではなく、一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです」
(ペトロ二3:9)。